2022年11月のことば
今でもあなたは
わたしの光
『Lemon』米津玄師
『Lemon』が大ヒットの頃は、メロディが素晴らしいとは思いましたが、歌詞にまで関心が及びませんでした。最近になって、亡くなった恋人のことを歌ったもの、さらに御祖父様が亡くなられたことが歌詞に影響していると知って、興味が出て調べてみました。特に、「今でもあなたはわたしの光」のサビのフレーズは、独特なメロディが心に残り、何か強烈に光を感じさせてくれます。
私は、その光から、次の親鸞聖人の和讃を連想しました。
源空光明はなたしめ 門徒につねにみせしめき
賢哲愚夫もえらばれず 豪貴鄙賤もへだてなし
訳 源空(法然上人)は、その身から光明を放って、そのお姿をどんなときも門弟たちにお見せになり、賢いものも愚かなものも区別することなく、貧富や身分の違いによって分け隔てされることもなかった。
親鸞聖人は比叡山での20年の長き修行の末、法然上人に出遇い、29歳のときに山を下りられました。
それは、端的に言うと、法然上人に光を見たからです。やがて、親鸞聖人が40歳のときに、法然上人は80歳で亡くなられます。
では、法然上人が亡くなられたら、法然上人の光は消えたのか。いや、「今でもあなたはわたしの光」と詠われたのが、親鸞聖人の「源空光明はなたしめ」の和讃ではなかろうか、と想像したのです。
親鸞聖人は90歳のご生涯をつねに法然上人の光と共に歩まれました。この光を正信偈では、南無不可思議光と表現されています。
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