6月の心に響くことば
悲しみに終わりはない
ともに生きて行く
大島花子
[住職感話]
先日、思いがけぬ「グリーフケア」(悲しみのケア)のつながりから、大島花子さんのコンサートへ行ってきました。母の日が近いこともあって、母を誘って最初で最後かもしれないデートでした。
大島さんは、あの『上を向いて歩こう』の坂本九さんの長女に当たられます。坂本さんは、1985年(昭和60年)の日本航空123便墜落事故に巻き込まれ43歳で亡くなられましたが、大島さんは当時11歳でした。多感な時期に最愛のお父様を亡くされた衝撃と悲しみはいかばかりかと拝察いたします。ところが、大切な人を失った人に寄り添い手助けをする「グリーフケア」を学び、現在は各地で命の大切さをテーマにしたコンサートを催されています。
そのコンサートは、まず、とにかく優しい、そして美しい歌声に痺れました。次に、家族をテーマに、命のかけがえのなさ、愛、つながり、平和が如何に尊く美しいかを話され心打たれました。特に、「会いたい人よ」という曲の紹介で「(亡き人に対して)たとえ会えなくても、会いたいと言っていいんだよ。会いたいの「会い」は「愛」だと」。さらに、「(死別の)悲しみは乗り越えるものではなく、共に歩むもの」に大きくあいづちを打ちました。
CDを買ってサインをもらう際に「お寺でもコンサートに来てくれますか」と尋ねたら、「お寺にふさわしい歌ですから、行きますよ」と応えてくれました。確かに、亡き人への想いを歌った曲が多く、お寺が最もふさわしい場所と言えます。いつかお呼びしたいです。