仏様のことば
お前はお前で丁度よい
藤場美津路
『仏様のことば』
お前はお前で丁度よい
顔も体も名前も姓も お前にそれは丁度よい
貧も富も親も子も 息子の嫁もその孫も
それはお前に丁度よい
幸も不幸も喜びも 悲しみさえも丁度よい
歩いたお前の人生は 悪くもなければ良くもない
お前にとって丁度よい
地獄へ行こうと極楽へ行こうと 行ったところが丁度よい
うぬぼれる要もなく卑下する要もない 上もなければ下もない
死ぬ月日さえも丁度よい
仏様と二人連れの人生 丁度よくないはずがない
丁度よいと聞こえた時 憶念の信が生まれます
南無阿弥陀仏
[住職感話]
「丁度よい」は、言い訳や安易な現状肯定ではありません。それは、人間のことばではなく、「仏様のことば」だからです。私が自分の人生を見て「丁度よい」のではなく、仏様が自分の人生を見て「丁度よい」とのお言葉です。自分を離れて、自分が見える。仏様の方から自分が見える。そのことを念じて忘れないのが「憶念の信」です。ある念仏者の「人生には善いも悪いもない。その全てが私には最もそれでよいのだ。此までの全ての出逢いや出来事は、自分を知る為の、一番分からない自分を見る事の導きだった」ということばに共感します。