百千の灯あらんも われを待つ灯はひとつ【3月の心に響く言葉】

2023年3月のことば
百千の灯あらんも
われを待つ灯はひとつ

東井義雄

[住職感話]
日本の教育界最大の人物と評された森信三氏が「今やどん底まで落ち込んだともいうべきわが国の教育界が、根本から立ち上がるための光となりうる、ほとんど唯一人は東井義雄先生です。東井先生は教育界の国宝的存在です」と称賛されています。その東井師の法話CD「家庭は念仏道場」(すねいる)を拝聴する機会を得ました。
その結びに
「百千の灯あらんも、われを待つ灯は一つ。あちらにもこちらにも色取り取りの灯が瞬いても、私を待ってくださる灯は一つしかないのですね。その私を待ってくださる灯を求めて、子どもがまっしぐらに帰っていけるお家をどうかお父さんお母さんつくってください。そしてその子の家庭を、いろんな誘惑、いろんな御利益を並べたてて誘いかけてきても、煩悩具足のどこまで行ってもきれいにならない私のようなものを待ってくださるお浄土の灯は一つしかない。そのただ一つのお浄土の灯を求めるお念仏の道場が家庭だということをはっきり自覚させていただくのが、お彼岸会のなによりも大事な事ではないでしょうか。くれぐれも家にお念仏の灯をお願いして失礼いたします。」
と話されています。
わが子二人が安心して帰れる家を妻(坊守)と二人でつくってきたか、ドキッとさせられました。しかし、それ以上に、私が最後に帰る家、父や祖父母が待つお浄土の灯を見つけているか、そして家にお念仏の灯があるのか、にドキッとさせられました。