損得勘定は生活にとって大事 尊徳感情は人生にとって大切【7月の心に響く言葉】

2024年7月のことば
損得勘定は生活にとって大事
尊徳感情は人生にとって大切
釋祐順
【住職感話】
仏法聞いたらどうなるのか?
米沢英雄師は『人間成就』の中で、人間は二重構造と言われます。昔の贈答品だった砂糖箱の上部は砂糖で詰まっていて、下部は上げ底でからっぽだったそうです。これを人間の心に譬えて、二重構造になっていると言われます。
すなわち、上部の砂糖の部分は、自分の思うようにしたい心、自分さえよければいいという心、自分一人しかいないという考え方。砂糖(煩悩)で詰まっているので、自分だけで一杯で、他人を入れる余裕がない心。一方、下部の上げ底の部分は、からっぽなので、誰でも入れることができる心。相手の身になって考えることができる心。空っぽなので、無いかの如く錯覚しているが、人間を成り立たせている重要な部分、となります。
これを私なりに味わうと、まず、上部の砂糖の部分は損得勘定(損か得かの算盤尽く)。これは世間のものさしでとても大事なものです。これが無かったら生活していけません。不思議なことに、取り立てて勉強をしたわけでもないのに、子どもでも十分に備わっています。次に、下部のからっぽの部分は尊徳感情(とうとい、ありがたいと思える)。これは仏法のものさしでとても大切なものです。これが無かったら、人生はどこかで行き詰まる時がきます。にもかかわらず、年を重ねても、なぜか十分には備わっているとは言えません。
では、改めて仏法聞いたらどうなるのか?ずばり、尊徳感情が育まれます。仏様にお育ていただいて、本当の人間になるのです。