2024年4月のことば
昔も昔 三千年
花咲き匂う 春八日(はるようか)
響き渡った 一声は
天にも地にも われ一人
花祭り行進曲
【住職感話】
この春、コロナ禍を経て5年振りに花まつりを再開いたします。
花まつりは、およそ30年前までは、船津町仏教会が多くの町民のご理解とご協力を賜り、花御堂(お釈迦様の誕生仏を安置し種々の花で屋根を葺き飾った小さな堂)を載せた白象を子どもたちが引いて、町内の寺院から寺院へお練り(パレード)していました。私も子どもの頃に、西勝寺へ白象が到着するのをドキドキして待っていたのを思い出します。
70歳を超える方々に花まつりの思い出を伺うと、「昔も昔 三千年」と花祭り行進曲を口ずさんだ後、「村の中を友だちと白象を引いて歩いたのが楽しかった。やかんをもっていって甘茶をもらった。甘くて美味しかった」と語ってくださいます。そんな喜びの声を聞かせていただくと、祖父(前々住職)や父(前住職)の顔が浮かび、さぞかし喜んでいるだろうと、こちらも笑みがこぼれます。同時に、私以上に喜んでいる先人の存在に驚き、歴史、伝統の有り難さが身に沁みます。当時は、船津町をあげての取り組みだっただけに、大変なご苦労があったことかと偲ばれます。
子どもたちに花まつりの風景(環境・経験・記憶)を残したい。花まつりが、先人が大切にされてきたお釈迦様の御誕生の逸話に込められた大きな願い(仏教)にであうご縁になり、子どもたちの生きる支え、生きる力になることを念じています。