2022年12月のことば
真の師とは
私の話を聞いてくれる人
私のことをわかってくれる人
真城義麿
[住職感話]
先日、ある御門徒のお父様の七回忌法要をお勤めさせていただきました。私は法話で「人は亡くなるとどうなるのか?」をお話しました。内容を端的に言うと「人は、亡くなっても無くなっていない。光になり、師になり、仏様になって、私を導いてくれる」というものです。
法事の感想をお尋ねすると、次女さんは、「普段、仕事が忙しくて、両親のことを思い出すことがほとんど無かった。改めて、両親の深い愛情の中で育ててもらったことを思い出す良い機会となりました」と。続いて、長女さんが「仕事で上の役職に就くことになり、難しい選択を迫られ、悩むことが多くなり困っていました。しかし、今日の法事で、今も両親は、私が苦しい時、難しい決断をした時、私のことを100%信頼してくれて、私のことを100%応援してくれる存在ということに気づきました」と語ってくれました。
ところで、過日ある寺院の報恩講で真城義麿師が「凡庸な教師は、ただしゃべる。良い教師は、説明する。優れた教師は、自らやってみせる。偉大な教師は生徒の心に火を点ける」というウィリアム・アーサー・ワードの言葉を紹介し、さらに、「真の師とは 私の話を聞いてくれる人 私のことをわかってくれる人」と法話されました。
娘さんたちにとって、御両親は、自分の話を聞いてそのまま認めてくれる、辛さをわかってくれる、まさに真の師であり、光であり、仏様であることを拝見しました。
まことに尊い、うれしい、有り難い時と場を共有できましたこと、住職冥利に尽きました。