人が生きた証は 周りの人の心の中に 種となって蒔かれる【9月の掲示板】

人が生きた証は
周りの人の心の中に
種となって蒔かれる
釋祐順
【住職感話】
このたび、「法事で一文字」の感想をしたためてくださった花田明美氏の投書が神戸新聞(2021年8月27日)の発言欄に掲載されました。思いがけぬことで、素直にすごく嬉しいです。
そこで、私が3年前から取り組んでいる「法事で一文字」をご紹介いたします。私は「法事とは、亡き人に喜んでもらうお参り・集い」といただいています。喜んでもらうための一風変わっているけれども心のこもったお供として、紙に筆ペンで「一文字」を書いてもらいます。
亡き人に相応しい漢字「一文字」を選んでもらうにあたって、亡き人のどんな姿、言葉そして表情が一番心に残っているのかを思い出してもらいます。読経後に、その一文字にした理由、思い出を分かち合ってもらいます。よく書かれるのが「笑」と「優」で、「笑」はいつも笑顔で迎えてくれた、「優」はいつも優しい心で接してくれた、と述べられます。感謝の言葉が多く、涙される方もおられます。
 最後に、私は「法事で一文字」から大事なことを教えていただきました。それは「人生は報われる」です。なぜなら、「誰もが必ず生きた証(種)を周りの人に蒔いて亡くなって逝かれる」からです。
御遺族は、亡き人からどんな種を貰われたのか、それが書いていただいた「一文字」なのです。この種に感謝し大切に育てて、これから咲かせようとする方。今、咲かせている方。もう実になって種になる番が近づいている方。それぞれの人の中に、確かに亡き人が住んでいます。それが報われる、という意味です。